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ラボ長発信No.11 (2002.12.15)

メガチップス&進藤会長の真髄を探る

ラボ長の前田です。皆さんお元気ですか。
今日は先日の東京渋谷での脱藩セミナーの講演を通して感じたメガチップスと進藤会長の真髄を探ってみたいと思います。

 この数年、スピンオフベンチャーの成功例が多発しているが、12年前にその創設及び株式公開の先陣を切ったメガチップス成功の最大の要素は何であろうか。私が思うにはそれは3つある。そのひとつは「フェイズ管理」である。起業環境が現在と比して劣悪な状況で、しかも当時めちゃだといわれていた半導体開発製造の倒産リスクは巨大であった。その為フェイズ@受託開発(下請け)に3年、フェイズA顧客専用LSI開発に3年と、合計6年をリスクのごく少ない仕事をこなしながら技術開発力を磨き上げた。

 そして満を持して当初の夢であったがリスクの高いファイズB自社ブランド製品に入っていった。このビジネス組み立て力が進藤さんにあった。もちろんフェイズ@、Aにおいても、常にフェイズBを夢見て社員にその構想を述べ腕を磨いていたことであろう。

 2つ目は、創業者である進藤社長が時代を読む力を持っていた。時流に乗る運と力を持っていた。メモリー全盛の時代に、欧米企業の戦略を眺め、DRAMの限界と先を読んでシステムLSIへの変革を長年の経験から見抜いて実行した。時流に乗らないと、いくら最先端の技術を持っていてもハイテク分野での起業は弱者であるベンチャーには難しい。

  そしてシステムLSIでの成功後、さらにシステムLSIというハード分野からメガフュージョンのソフト分野へと拡張していった。半導体設計のためのソフトを理解する必要があり、そのソフト設計のためにサービスを理解する必要があり、そのサービス設計のためにコンテンツを理解する必要がある、それらが自然とビジネスにつながっていく、と渋谷での講演の後の立ち話で話されていた。

 ブロードバンド時代のハードとソフトの結合、リアルとバーチャルの結合、という時代の流れをにらみながら必要なものをビジネスに取り込んでいる。まさに私の主張している「デバイス・ミニOS・情報端末・通信ネット・商品」のファイブサークル・モデルを取り込んだビジネスモデルを構築しようとしている。進藤会長の時代を見る目は、坂本竜馬や松下幸之助同様、もって生まれた才能であろう。それともどこかで習得したのか。いつかその答えを探し出してみたいと思う。

 3つ目は、企業経営の毅然とした信念とゼロからの実行力である。リコーの半導体を無から大きな事業に育て上げたが、経営理念の違いで7人の侍として理想実現を求め飛び出した。メガチップスの苦境時に意見の違いで飛び出した同士がその後の成功時に戻りたいと希望したが、きっぱり断った。

 3年前に始めた2番目のベンチャーであるメガフュージョンの短期間での株式上場成功は、毅然とした信念とゼロからの実行があったからである。メガチップスの社長を若手に譲り、成功体験から隔離するためにも、場所も社員も資金もゼロからはじめたことにある。このことは一見誰でもできそうだが、なかなかできるものではない。成功したものはどんなものでも同じ経営を続けているとだめになる、との強い信念があるからできるものであろう。

「ひとは思わば思え。われなすことは、われのみぞ知る」竜馬

2002.12.15 前田 昇

<完>


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