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ラボ長発信No.5 (2002.5.25)

ベンチャー企業が倒れないための8ヶ条

 大企業は、少々ではひっくり返らないけれども、イノベーションを起こすことはなかなか難しい。反対にベンチャー企業は、イノベーションを起こす潜在力を持っているが、あっという間にひっくり返る危険もある。ベンチャー企業の成功の鍵は、ひっくり返らないでイノベーションを起こしながら規模拡大をはかることだと要約できる。

 ということで、鍵は二種類に分けられる。どうすればひっくり返らないで済むか、すなわち倒産しないで済むか、ということと、もう一つは、どうすればイノベーションを起こしながら規模拡大を続けられるかということである。この二つの問いに対して、ハイテクベンチャー成功事例からのヒントも踏まえ、日本の新産業育成に貢献するようなベンチャー企業をめざす人に次のような成功の鍵を提示したい。

<<<ベンチャー企業が倒れないための8ヶ条>>>

1.フェイズ管理を戦略的に行う。
  最初から理想を追わず、生存、成長、勝負の3フェーズを構想し実行する。最初のフェーズは下請け的作業でも、その間に企業のインフラを構築する。
メガチップスやザインのフェイズ管理(ラボ長発信No.3参照)は有名。
2.上場近くまでは銀行から借金しない。
  個人補償の借金は、失敗したら家まで失い夜逃げにつながる。日本は失敗者に冷たいといわれるのは、失敗するからではなく借金をするから。
サムコは、無借金経営を続けている。
3.家族、知人や公的資金から返済不要の資本のみを集める。
  資本を誰も出さないのは、本人や事業に魅力がない証拠であり止めた方がよい。 よいネタには、エンジェルがついてくる。小額のエンジェルを数多く集める。
ザインは、創業資金で借金を作らなかった。
4.初年度から黒字を計上する。
  3年で単年度黒字、5年で累積黒字は大企業のルール。知恵を絞って汗をかけば起業時の生活費程度は稼げる。バーニングレイトゼロをめざせ。
(Burning Rate:毎月毎月起業資金がなくなっていく固定経費の%)
インクス、ザイン、サムコは初年度から黒字経営を続けている。
5.知恵以外のものはアウトソースやファブレスで行う。
  知識集約企業に余分なお金は不要である。見栄を張らないこと。オフィスはまずはガレージからと思うぐらいの発想が必要。
サムコはガレージから、メガチップスは市民会館から起業。
6.大企業とのうまい連携を企てる。
  辞めた会社と喧嘩別れせず、大企業の痒いところを掻いてやる。最初から対等に付き合うと、いとも簡単につぶされる。成長後は対等につきあうべし。
メガチップス、ザインは下請け業務から。サムコは米国の大企業、鷹山はNTTドコモとシャープ、メガチップスは任天堂と三井物産、ザインは韓国サムソンや半導体ベンチャー協会でNEC等の大手半導体企業、インクスはホンダと、リアルビジョンはスピンオフ元のNECと連携。
7.自分と持ち味の違う仲間を取り入れる。
  自分と違う意見を言える人を、常に右脇においておく。リーダーが謙虚さを失うと、失敗する。
インクス、メガチップスは数人の仲間と創業。
8.倒産寸前にうろたえない。
  ベンチャー成功者は、2、3度は必ず倒産寸前の危機に遭遇している。ソニーやトヨタも創業時にそれを乗り越えた。チャンスが来たと思えばよい。
倒産の危機はすべてのベンチャーに、いつか来る。

私が考える、ベンチャー企業が「イノベーションを起こす8か条」は次回に披露します。(完)

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