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ラボ長発信 No.4 (2002.4.30)
尾身科学技術担当大臣へのプレゼン
4月11日東京の内閣府で行われた会議の正式名称は、総合科学技術会議 科学技術システム改革専門調査会 第11回産学官連携プロジェクト 有識者ヒアリングです。発表者は、柳田敏雄 大阪大学医学部教授(バイオ分野、ナノテク・材料分野)、長久 厚 ファイザー製薬且謦役中央研究所長(バイオ分野)、前田 昇 高知工科大学教授(IT分野)、和田恭雄 鞄立製作所基礎研究所主任研究員 京都大学国際融合創造センター客員教授の4人でした。専門調査会の目的は「世界最高水準の研究成果が創出され社会に還元される仕組みを早急に作り上げるため、研究開発システム改革、産業技術力の強化と産学官連携の仕組みの改革等科学技術システム改革に関する調査・検討を行う。」と記されています。
出席者は座長の佐々木元 日本電気会長、座長代理の阿部博之 東北大学学長、総合科学技術会議の石井柴郎、井村由裕、桑原 洋、白川英樹(ノーベル賞)各議員、メンバーの安西祐一郎 慶応義塾塾長、生駒俊明
日本テキサス・インスツルメント会長、笠見昭信 東芝監査役、岸輝雄 物質・材料研究機構理事長、関沢義 富士通会長、堀場雅夫 堀場製作所会長、松雄稔
名古屋大学学長、山下義道 イノベーション戦略研究所長、山本貴史 先端科学技術インキュベーションセンター社長でした。他に内閣府等の人が40人くらいオブザーバーでいました。
講演等は場慣れしているつもりでしたが、久しぶりに緊張しました。15年程前にカナダの国際会議で第3の波の未来学者アルビン・トフラー、戦略論のマイケル・ポーターハーバード大教授、アメリカ代表GMの戦略担当重役、欧州代表オリベッティの戦略担当重役、日本代表米ソニーの戦略担当VPの私とで500人の前でパネル討論をして以来の緊張でした。まもなく内閣府のウェブで議事録が読めますが、私の発表でのやり取りの、さわりのところをお知らせします。
前田:大学の90人の先生の中で唯一の文系の教授だが、IBMやソニー時代に、常に最先端技術のそばでビジネスをやってきた。今日は、IT,バイオ、ナノテク等で、"どの分野をどのように"すると産学関連携が高まり日本の競争力が高くなるのか、を話すことになっているが、私は"どのように"に焦点を絞って話す。
(最後に)今日の話の詳細は先週出版した「スピンオフ革命」に書いてある。
佐々木NEC会長:報告に出てきた高性能グラフィックLSI開発の杉山社長のリアルビジョンのファーストカストマーはNECだった。彼はNECをスピンオフして社内ではなかなかやれなかった夢を実現した。この様な大企業とスピンオフベンチャーの連携はありえる。
生駒日本TI会長:ザインの飯塚社長は私の東大での教え子だった。スピンオフして苦労したが大成功している。前田先生の調査では、政府からお金をもらわないほうが成功している率が高い。アメリカは新卒の博士がベンチャーを立ち上げ、日本では会社を経験したスピンオフの人がやる。面白い比較だ。
尾身大臣:「スピンオフ革命」は読ませていただく。国のお金を使っても成功例が少ないのは大きな問題。今後はベンチャー育成には、税制とか、自由なエネルギーを伸び伸びと生かせるような社会的な枠組み作りが大事と考えている。
堀場会長:最近IT、ナノテク、バイオにあらずば人にあらずの風潮がある。またベンチャーキャピタル等は、3年で上場を迫る。メガチップスは大成功し、すごいがこれは例外中の例外。地味な企業が10年、20年かけて上場する意義のほうが大切。これら下ささえをしている企業こそバックアップすべき。
生駒会長:今日発表された4人の先生方の共通の主張は、長期的なファンディングは国がしっかりやる、ベンチャーには国は税制とか有限責任とか、そういった面のサポートをする、だと思う。
全体で8ページくらいの議事録で、今日FAXでゲラが回ってきましたので、まもなく掲載されると思いますので、興味のある方は後日下記ウェブを見てください。私のパワーポイント資料は、ラボのファイルに入れてあり、メンバーは検索できます。
http://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/system/smain.html
ノーベル賞受賞者の白川英樹先生は、会議後いい話だったと声をかけてくださり、「スピンオフ革命」私も読むよ、と言われたのですぐお送りしましたら、メールで礼状とともに、「会議での前田先生の話は、最近多い否定的な話ではなく、日本でもハイテクベンチャーでこれだけの実績が出ているということで、大変勇気付けられる思いがした」と述べられていました。白川先生とはお話している間に、横浜の自宅がすぐ近くどうしだとわかりました。
尾身大臣が、何とか日本を良くしよう、具体的な手を打とう、と非常に真剣なのが会議中ひしひしと伝わってきました。次の尾身大臣の京都での6月15、16日の第1回産学官連携推進会議が楽しみです。16日のIT分科会で、富士通の鳴戸元副会長の司会で東北大の大見忠弘教授、慶応の村井純教授、土居範久教授、ロームの高須研究開発本部長、友人でソニースピンオフのオプトウエアー堀米社長とご一緒させていただきます。
(完)
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