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ラボ長発信 No.3 (2002.4.23)

ベンチャー企業の発展フェイズ管理

 ベンチャーを創業して、将来10年で上場を考えたとき、大きく三つのフェイズが考えられる。その時々で、ビジネスの焦点や経営を大きく切り替えていくことが重要である。第2、第3のソニー、ホンダ、京セラといわれるメガチップスの事例を見て勉強したい。

 創業8年で店頭上場を果たした進藤社長は、49才で起業した。16年勤めた三菱電機からASIC(顧客専用に作る集積回路)に理解を示してくれたリコーに移り、リコーの半導体研究所長の重責を勤め上げ退社し仲間6人と来るべき新技術領域であるシステムLSI設計のベンチャーへ船出した。開業したものの銀行の払い込み口座すら開設してもらえず、事務所も貸してもらえず、市の集会所を時間借りしながら転々とした最悪のスタートだった。

 任天堂のゲーム機搭載のLSI設計という順風に助けられながらも、苦難の末日本ではその当時珍しい研究開発特化型ファブレスのLSIメーカーとしてシリコンバレー型ベンチャーの成功モデルを創出した。 当初予定の11年目(2001年)よりも3年早い8年目での上場は、進藤社長のエンジニアとしてだけではなく経営者としての緻密なビジネスプラン作りが貢献している。メガチップスの発展のシナリオで注目すべき点はベンチャーとしての発展フェイズ戦略がしっかり出来ていたことである。(ラボファイルで、図が参照可能です)

<スタートアップ期>は大企業の下請け的なベンチャーとしては屈辱的ではあるが確実に少しの収益が出て高度な技術力の要らない受託開発業務に100%没頭し、その間に企業として必要な人的、法的、経理的、物流的なあらゆる体制を3年で整えた。

<第2フェイズ>としての3年は顧客専用LSIを開発し、ファブレスとして受託製造会社に製造委託するという、従来よりはリスクが高いが高利益のビジネスで、企業としての成長期を創出することが出来た。その数年間のあいだにレベルの高いエンジニアを採用し養成し、次の飛躍の時代に備えた。

<第3フェイズ>としての3年は、事業構造転換期と位置づけ画像圧縮、通信、画像・音声処理用の自社システムLSIとそれを生かしたシステムビジネスへと展開した。それまでの6年をかけて育て上げた多くの特許に守られた高度な自社技術をもとに自社ブランド製品を創り出した。当然在庫責任があり、どれだけ売れるか、どれだけ作るか、どう販売するか、どう物流するか、どうサービスするかというベンチャーとして最大の試練のときを迎えた。しかし過去6年間の企業経営の経験と自信でこれを乗り越えることが出来た。これが創業2、3年目だと難しかっただろう。2000年末には店頭市場から東証1部に上場移管された。

(完)

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