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ひとくちメモ

■スピンアウト、スピンオフ
 どちらも企業を中途退職して独立することを言う。スピンオフとスピンアウトが、日本ではほぼ同様な意味で使われていますが、ペンシルベニア大学ウオートンビジネススクールのイノベーションやベンチャー論で有名なイアン・マクミラン教授が2003年1月経済産業省主催のスピンオフ研究会に出席されたときに、その違いを聞いて見ました。
スピン・アウト:その企業は、今後は出て行った人と、かかわりたくない。
スピン・オフ:その企業は、今後も出て行った人と、かかわっていたい。
 日本産業再生には、大企業と退職して独立するベンチャーが競争しながら連携する、スピンオフ型を多用していきたいものです。拙著「スピンオフ革命」は、ここから来ています。

■スピンオフ・ツリー
 シリコンバレーや札幌バレー、サンジエゴ等の産業クラスターのレポートに良く出てくるチャートで、10年、20年にわたる企業のスピンオフの歴史を樹木の枝葉のように書いたチャート。シリコンバレーにおける1968年のインテル創設をもたらしたショックレー半導体研究所やフェアーチャイルド等からのスピンオフ・ツリーや、札幌バレーにおける青木教授マイコン研究会の学生が1977年に創業したBUGや、コンピュータランド北海道等からのソフトフロント等の数十のベンチャー企業群のスピンオフ・ツリーは有名。スピンオフした企業からのスピンオフ、またその企業からのスピンオフと続いていく。クラスターが成長する原動力となる。

■GEMレポート
 Global Entrepreneurship Monitor の略で、世界各国の起業家マインドのアンケート調査報告書。1999年に10カ国で開始され2002年は37カ国が参加。日本は慶応大学が窓口。各国の起業予定率とGDP伸び率の相関性が高いことを示すチャートが有名。欧米のベンチャー関連の人たちとの会議では、必ずと言っていいくらいこのチャートが出てくる。2000年のレポートでは、日本は起業率が最低の1%でGDP伸び率も最低の0.5%、韓国は起業率14%、GDP7%で最高。米国は起業率13%、GDP伸び率は4%。欧州各国は日本とアメリカの中間が多い。
http://www.gemconsortium.org/

■クラスター
 地域全体で学習能力を高め、いわゆるイノベーティブな産業集積地をさす。特定地域における特定産業の集積があり、大学や企業、ベンチャー企業、研究所、NPO、役所、公共団体等が密接に協調・連携することにより、通常以上のイノベーション効果を挙げている地域。国の競争力は地域産業クラスターの集合であり、各国がその強化に取り組んでいる。日本では札幌バレーが有名で、これからの創出のために2002年に文部科学省が知的クラスター12地域を、経済産業省が産業クラスター16地域を指定している。米国ではシリコンバレー(IT)、ノースカロライナのリサーチ・トライアングルパーク(バイオ)、サンジエゴ(バイオ、コミュニケーション)、ボストン(医療機器)、オースチン(IT)地域等が有名。欧州では、フィンランドのオウル市(IT)、独のミュンヘン(バイオ)、仏ソフィア・アンティポリス(IT,通信)、北欧メディコンバレー(バイオ)等が有名。

■コーポレート・ベンチャーリング
 企業が社内ベンチャー制度、スピンオフ・ベンチャーの奨励・サポート、ベンチャー企業買収(M&A)、ベンチャーとの連携・共同開発、コーポレートベンチャーキャピタル、MBO(マネジメント・バイアウト)、MBI(マネジメント・バイイン)、カービングアウト、インキュベーター事業、等を行うことにより、起業家精神を利用して、官僚的になりがちな古い企業の活性化を図る仕組み。
 米国MITで2003年までMOTディレクターをしていたウエーバー教授は、「MOTの戦略的な焦点はこの50年間10年ごとに変わってきている。21世紀の最初の十年はコーポレート・ベンチャリングがMOTの最重要焦点となる」と主張しています。

■MOT
 技術経営のことであり、Management of Technologyの略。技術を事業の核とする企業が、持続的に発展するための創造的かつ戦略的なイノベーションを起こすためのマネジメント手法である。
 技術戦略、技術政策、プロジェクトマネジメント、テクノロジー・プロセスマネジメント、アントレプレナーシップ、起業論、リスクマネジメント、イノベーション・ダイナミクス、知的財産マネジメント、ハイテクマーケティング、技術予測、組織行動論、M&A戦略、技術提携、原価管理、コーポレートファイナンシング等が学ぶべき分野である。
 米国MITで2003年までMOTディレクターをしていたウエーバー教授は自らの体験から、MOTの戦略的な焦点はこの50年間10年ごとに変わってきていると主張している。1960年代はManaging R&D、1970年代はTechnology Transfer、1980年代はTechnological innovation、1990年代はTechnology Strategy、2000年代はCorporate Venturingである。

■新株予約権
 今年4月の商法改正で新たに認められた一種のストックオプション(自社株購入件)機能を持つ仕組み。特許や技術サポートの見返りに、将来新株を入手する権利を約束するもの。大企業は有望な埋もれた技術を起業に活かせ、ベンチャーは親会社からサポートを受けながらも完全独立の形で起業に励める。親会社はベンチャーがIPOすると、大きな収入を得る可能性がある。